コラム
2021年鹿児島ユナイテッドFCの戦術について
弊所では、2020年シーズンより現在J3リーグに所属している鹿児島ユナイテッドFCのスポンサーを務めております(本当に微力ながら、ですが)。
私も、ホーム戦は欠かさず白波スタジアムに応援に行かせていただいております。
個人的に昨年までの金鍾成監督の人柄も、サッカーも大好きでしたが、今年から指揮を執るアーサー・パパス監督(前横浜Fマリノスコーチ)も、去年にも増して、ボールを大事にしながら攻撃的なサッカーを見せてくれており、そのサッカーに魅了されつつあります。
サッカー戦術は素人なのですが、今年の鹿児島の特徴は、とにかく自陣ゴール前からパスを繋いで、相手を押し込んでいく、相手にボールを奪われたら即時奪回を目指すというスタイルのようです。
相手が前からボールを奪いに来た場合でも、基本的に、大きく蹴りだすことはなく、ショートパスを繋ぎながら、相手のプレスを交わしていきます。
ゴールキーパーもセンターバックも、一昔前だったら安全第一で大きく蹴りだすところを、自陣ゴール前でもお構いなしにショートパスを繋ぎます。
まだまだ、鹿児島のスタイルも未完成のところがあるため、自陣ゴール前で相手に奪われ、大きなピンチを招くこともありますが、そんなとき、スタジアムで観戦をしていると、大きな悲鳴が上がったり、「何で大きく蹴りださないんだ!!」と憤慨している方を見かけることが多々あります。
相手が前から来ている分、そのプレスを交わすことができれば一転して大チャンスとなるので、個人的には継続してもらって、その精度を上げて行ってもらいたいのですが、まだまだサポーターにもチームの意図が伝わり切れていないところがあるようです。
この点について、2021年3月29日配信の鹿児島ユナイテッドFC公式youtubeチャンネル「きばれ!!ユナイテッドステーション」に生出演していたGK大西勝俉選手がサポーターに理解を求める一幕がありました。
選手から発せられたとても貴重な意見だと思うので、以下に、その概要をまとめてみます(あくまで個人的なまとめです)。
27分50秒頃~29分40秒頃
今年は、去年や一昨年に比べて、よりゴール前でもボールを保持する、繋ぐというか、自分たちでボールを支配してゲームを進めていこうというチームスタイルでやっています。サポーターは、『ゴール前でひやひやする』とか、『そんな危なっかしいことせんとキーパーから蹴れよ』とか、そういうことを絶対思っているでしょうし、そういう意見を実際に見たこともあります。
だけど、そういうリスクも承知でこのようなスタイルのサッカーをするって決めたし、意図してそういうプレーをしています。
もちろん、まだまだ質は伴っていない部分も承知していますし、これからも見ているとしょうもないミスというか、簡単なミスもあって、もしかしたらそれで失点して負けてしまうかもしれないけれど、それをできるだけ少なくして、もっといいプレーをできるように質を高めるように全員でハードワークして、練習から取り組んでいるんで、そこはサポーターの皆さんも信じてほしいというか、そういう思いでやってるんだなというのは汲んでほしいかなと思います。
もちろん、失敗したときとかに激飛ばしてもらうというのは、プロの世界なんで受け入れるんですけど、その裏にはただ単につなげつなげじゃなくて、繋ぐためにこうするああする、じゃあこれが必要だよねっていう思いで取り組んでいるというのは分かっていただけたら幸いです。
選手としても、意図的にゴール前からの繋ぎをやっていることをサポーターに理解してもらって、応援してもらいたいとの気持ちのようです。
サポーターとしても、自陣ゴール前でボールを失った時に悲鳴が出てしまうのはある程度仕方がないとは思いますが、チームの意図は理解して、上手くショートパスで相手のプレスをかいくぐれた時には、大きな拍手で讃えてあげたいですね。
このようにショートパスでの組み立てを目指す鹿児島ですが、2021年3月28日の対福島戦では、GK大西選手からのロングフィードに米澤選手が抜け出してゴールを決めるというシーンがありました。
パパス監督は、ショートパスを使った組み立てにこだわりすぎることなく、目的であるゴールを奪うために最も効果的な方法を選ぶことができる柔軟性と修正能力に優れた監督だと思います。
ぜひ、この監督のもと、今の戦術を磨き上げて、J2復帰を目指してほしいです。
前の市長が言っていたように、鹿児島ユナイテッドFCは、鹿児島を盛り上げるためにも宝のような存在だと思いますので、今年も、事務所をあげて応援していきたいと思います。