コラム
鹿児島と八戸の縁
弊所ではサッカーJ3リーグに所属する鹿児島ユナイテッドFCを応援しており、私もホーム戦は可能な限り鴨池の白波スタジアムに駆け付けるようにしています。
そんな中、息子と一緒に始めたのが、対戦相手にゆかりのある神社やお寺で必勝祈願をしてから、スタジアムに行くこと。
試合前は勝てるか不安で、神にもすがりたい気持ちになります。
そんなとき、神頼みをするにしても、何かしらゆかりのある場所でお祈りをしたほうが、ご利益があるのではないかと考えたのがきっかけでした。
FC岐阜さんとの対戦時には、西千石町の薩摩義士のお墓がある大中寺さんを、ロアッソ熊本さんとの対戦時には、西南戦争にちなんで西郷さんのお墓のある南洲神社をお参りしました。
その結果、願いが通じたのか、お参りをした試合では2戦2勝。
これは縁起がよいということで、アウェイ戦ではありますが、2021年11月7日のヴァンラーレ八戸戦に向けてもどこかにお参りに行こうと考え、八戸と鹿児島の縁を調べてみました。
するとわかったのは、八戸が思ったよりも鹿児島と縁が深いということ。
不勉強で知らなかったのですが、なんと、八戸藩の第9代藩主・南部信順公は、薩摩藩の島津家から婿入りした方だそうです。
信順公は、鹿児島では有名な第8代藩主島津重豪公の子供にあたり、戊辰戦争を経て、八戸藩最後の藩主となっています。
戊辰戦争では、薩摩藩をはじめとした討幕派と幕府側に分かれて戦闘が行われましたが、東北の諸藩は幕府側。
八戸藩は信順公が薩摩藩出身であることから、倒幕側に味方するのではないかと疑われ、難しい立場に置かれたようですが、信順公はそんな難局も巧みな手腕で乗り切り、八戸藩の存続に成功したようです。
八戸市には、現在も、信順公が故郷鹿児島を思って作った薩摩風の庭園が残されているそうです(八戸南部氏庭園)。
サッカーを通じて、今まで知らなかった歴史や縁を知ることができるのも、楽しいですね。
八戸戦に向け、11月7日には、南部信順公の父・島津重豪公のお墓参りをして、鹿児島の勝利をお願いしてきたいと思います。
弁護士 永里桂太郎